首都高速道路大師橋架替え工事現場見学

1968年に開通しました首都高速大師橋は,これまでに1200か所以上の鋼床版の疲労き裂が見つかっているとのことです.このような構造物の長期的な安全性を確保するため,き裂が発生しにくく,長期の耐久性と維持管理性を備えたより優れた構造へと,高速大師橋を作り替えています.高速大師橋リニューアルでは,現在の橋の隣(下流側)に,長さ約300mの新しい橋を組み立てて,現在の橋と新しい橋をスライドさせて一挙に架け替える工法を採用しています.これにより,現在の橋の撤去と新しい橋の架設という2つの工事を,合わせて2週間という短期間で実施されています.

このような大規模更新工事の現場を10月30日に見学させていただきまして,学生さんは大変勉強になったと思います.橋梁の送り出しや横取り架設は難易度も高く,種々の検討が必要になります.見学された学生さんが,将来このような施工に関する技術面で勉強され,一流の技術者として活躍されることを祈っています. 

 

見学時の写真

第23回碧蓮祭開催 研究室展示!

 10月28日29日,第23回碧蓮祭が開催されました.今年は4年前の碧蓮祭が復活したような感じです.大勢の方に来ていただき盛況です.地域のお祭りのようで,地域貢献の面でも評価されています.行田市長や白根会長も見えられました.これまでで最高に盛り上がっている学生のバンド活動があり,楽しい雰囲気でした.

 研究室卒業生が大勢集まってくれました.実験室でBBQしてとても楽しかったです.元気な姿を見せてくれて,また仕事や現場の様子をお聞きして,成長していることを感じました.

 各種共同研究を実施している当研究室の展示は,高速リニューアルに関する実験の紹介などを行っています.炭素繊維による鋼構造物の補強,鋼床版の下面補強,高強度緻密モルタルによるコンクリート床版の補強,ガラス繊維で製作された橋の実験,鋼構造システム建築施工実習等を展示しています.ぜひご覧ください.

バンド演奏 実行委員会が単管パイプ等足場材料で制作した舞台

 

各種模擬店

 

 来ていただいた卒業生は,2022年度卒(廣野,川端,後藤,杉山,名塚,平木,竹内),2022年度卒(平井,渡邉),2020年度卒(今村,大島,山田),2019年度卒(川端,BINH,前田),2018年度卒(下前,鈴木,田中)以上敬称略です.

 

卒業生との写真

 

炭素繊維による鋼桁の補強

 

トラス橋部材の炭素繊維による補強

 

鋼床版の下面補強

 

高強度緻密モルタルによるコンクリート床版の補修

 

ガラス繊維で制作された歩道橋の試験体

 

鋼システム(YESS)建築の施工実習(2年生)

 

M2安田翼さんが令和5年度土木学会全国大会 優秀講演者に選ばれました

令和5年度土木学会全国大会 第78回年次学術講演会優秀講演者表彰(広島工業大学)において,大学院2年生の安田翼君が,「供用下を想定した軽量樹脂モルタルの鋼床版Uリブへの充填施工試験」の内容を発表し,優秀講演者に選ばれましたことを報告します.

https://committees.jsce.or.jp/zenkoku/node/332

本表彰の趣旨は以下の通りです.

将来の土木界を担っていく若手の研究者および技術者の論文内容や講演技術が向上し,さらに全国大会が活性化することを目的とし定めたものです.今回講演される若手研究者,技術者の方々のご健闘を期待いたします.

 

安田翼さん(大学院2年生)

CFRP補強した鋼桁の曲げ載荷実験見学会開催

埼玉橋梁メンテナンス研究会主催の横倒れ座屈公開実験(https://www.iot.ac.jp/building/ohgaki/date/2023/08/)で座屈させた鋼桁(面外残留変位10mm程度)を炭素繊維強化ポリマ(CFRP)で補強しました.その供試体を10月10日に関係者公開で曲げ載荷実験を行いました.本技術は長年共同研究(ものつくり大学,NEXCO総研,長岡技術科学大学,および日鉄ケミカル&マテリアル)を行っている成果の適用確認という位置づけです.また,埼玉大学大学院博士課程で奥井教授に指導いただいているS氏の主な研究になります.

健全な鋼桁の横倒れ座屈耐荷力(最大荷重約150kN)であったものが,CFRP補強によって倍以上の横倒れ座屈耐荷力(最大荷重約350kN)になりました.ほぼ予測通りでした.上フランジはCFRP成形材で,下フランジと腹板上部はCFRPストランドシートで補強しています.

特に,上フランジ下面の補強においては,鋼桁の面外残留たわみに合わせてCFRP成形材曲線切りしています.大変難しい供試体の施工はすべて研究室の学生さんが行っており,すばらしい出来栄えでした.このようなハイレベルで世の中に役立つ実験研究が行えているのも,共同研究者各位,ならびにものつくり大学橋梁・構造研究室の皆様のお陰であると感謝しています.

実験内容の説明

 

公開実験の様子

 

載荷実験中

 

横倒れ座屈後の試験体

鉄骨,橋梁製作工場見学

就職活動を控えた研究室3年生を対象に,10月3日に鉄骨,橋梁製作工場の見学をさせていただきました.実際の構造物を製作している状況を見てもらって,将来の進路などを考えてもらう機会に繋がればよいと思います.また,鋼構造物の研究やものつくりの勉強にもなりますので,このような活動を継続したいと考えています.

連携講師の江原先生,研究室のSYLL特任助教に引率いただきました.毎年,対応いただいていますTコーポレーションの方々に感謝致します.

工場見学の様子