専門雑誌「橋梁と基礎」に「柔らかく合成する 鋼橋よもやま話」が掲載されました!

 近年,高速リニューアル工事でコンクリート床版の取替えが活発化しており,ものつくり大学ではNEXCO総合技術研究所と関連の各種共同研究を行っています.その代表的な研究として,鋼部材の炭素繊維強化ポリマー(CFRP)による補強工法開発や,弾性合成桁挙動解明があります.これらの研究では,完全な合成ではなくフレキブルな合成という共通点があります.その特徴などを記載した評論が掲載されました.

まず鋼部材とCFRPの接合で苦労した点や大きく進歩した技術を紹介しました.次に,コンクリート床版を有する鋼桁橋の設計において,長年の疑問である合成桁もしくは非合成桁の2つ設計方法しかないことに向き合い,弾性合成桁の設計方法が最も合理的であることを説明しています.最後に,構造物の新設や補修補強において,力学の知識がある技術者が美しいと感じるものを,設計・施工することが重要であることを述べています.

  

  

浅利川橋

  

ポリウレアパテ

   

せん断載荷実験

   

曲げ載荷実験

   

千鳥の沢川橋

   

フレキシビリティ定数とバネ定数の関係

Journal of Constructional Steel Researchに掲載されました!

このように本学で実施した実験成果を含めた内容が,世界に公表されて認知されることは素晴らしいことであると感じています.一緒に頑張った学生さんも喜んで頂けるものと思います.

以下に主な図を掲載します.

  

  

   

    

   

   

   

   

   

企業研究交流会開催

今年度も12/16,17に本学体育館で企業研究交流会が開催されました.12/16は建設分野の企業に出展頂きました.12/17は情報メカトロニクス学科関連企業に出展頂きました.それぞれ,午前午後各45社,合計180社になります.大手企業も多く参加いただきました.最近の技術者不足が感じられました.

1,2年生は企業研究として,3年生は就職先として,貴重な情報を得たと思います.授業の間に見て頂くのではなく,休講にして学生さんに真剣に取り組んでいただきました.学生さんの将来のために,よい機会を設定できたと考えています.

   

今年度の実験研究が完了しました!

弾性合成桁曲げ挙動,スタッド押し抜き試験によるずれ変形,鋼桁の横倒れ座屈補強,トラス橋部材の耐荷力,ハーフプレキャスト版曲げ強度,建屋のブレース材耐震性能など,今年度実施予定の多くの載荷実験研究が終わりました.学生の皆さんはよくやりました.データ整理や考察が進んでいませんが,卒業研究の最後はしっかり論文の形にまとめて頂いて,後世に残せる内容にして頂きたいと考えています.皆さんの将来の活躍を祈念しています.

プレキャスト床版弾性合成桁の曲げ載荷実験

 

屋外実習場に試験体搬出

 

今後解体する弾性合成桁供試体

 

ブレース材の耐震補強供試体とシステム建築実習材料

 

ずれ止めの押抜き試験供試体

 

鋼桁の横倒れ座屈補強供試体

 

ハーフプレキャスト版の実験供試体

 

第2連絡橋の床板補修工事が完了

11月末に第2連絡橋の床板補修工事が完了しました.この橋梁はガラス繊維強化ポリマー(GFRP)製のトラス橋です.格点にはステンレス板のガセットプレートを用いて,ブラインドリベットで接合しています.この橋梁は本学の実習で2007年に完成しています.当初,木製床板を用いていましたが腐朽劣化が進行したため,2017年にFRP複合床版に取り換えました.その床版の一部にふくらみが生じたので,今回,学生さんが取替工事を行いました.本学では,このように実寸大の施工を行っています.このような経験が,将来学生さんの役に立つと考えています.

 

当初の木製床板

 

FRP複合床版取替え後

 

高所作業車の移動(学生が運転講習を受けて免許を取得しています)

 

ブラインドリベット撤去

 

不具合床版の撤去,通行止め

 

載荷実験による性能確認

 

表面のすべり止め舗装の施工

 

床版取替え(FRP床版はハニカムコア構造であり,1枚50kgです.)

 

床版取替え

 

取替え床版設置

 

設置完了