複合・合成構造の活用に関するシンポジウム発表

第 15 回 複合・合成構造の活用に関するシンポジウム

期日:2023 年 11 月 9 日(木)~10 日(金)
会場:土木学会 講堂および AB 会議室
Tokyo, Japan, November 9-10, 2023
【共 催】
公益社団法人 土木学会 複合構造委員会 Committee on Hybrid Structures, JSCE
一般社団法人 日本建築学会 鋼コンクリート合成構造運営委員会 Managing Committee on Steel Concrete Composite Structures, AIJ
【後 援】
日本鋼構造協会,日本コンクリート工学会,日本材料学会
日本複合材料学会,プレストレストコンクリート工学会

標記シンポジウムにおいて,以下9件の関連研究発表を行いました.

(12) 軽量樹脂モルタルを充填した鋼床版 U リブ部の定点載荷実験/石田学(太平洋マテリアル)・大垣賀津雄・赤江信哉・鈴木永之・PHAM NGOC VINH
(13) 鋼床版下面からの樹脂モルタルと CFRP 成形材による補強効果確認実験/安田翼(ものつくり大学)・大垣賀津雄・秀熊佑哉・石田学・鈴木永之・PHAM NGOC VINH
(15) 供用下を想定した軽量樹脂モルタルの鋼床版 U リブへの充填施工試験/赤江信哉(太平洋マテリアル)・大垣賀津雄・石田学・鈴木永之・PHAM NGOC VINH
(16) 鋼床版 U リブ内への樹脂モルタル充填施工における品質検査法に関する研究/渡邊健也(日本工営)・大垣賀津雄・赤江信哉・石田学・鈴木永之・高鍋雅則
(17) 鋼床版 U リブ間を補強した CFRP 成形材接着部の振動疲労実験/櫻井俊太(日鉄ケミカル&マテリアル)・大垣賀津雄・秀熊佑哉・鈴木永之・PHAM NGOC VINH・安田翼
(19) CFRP シートで補強した鋼トラス橋の H 形断面斜材に対する長柱座屈実験/服部雅史(高速道路総合技術研究所)・大垣賀津雄・宮下剛・後藤源太・秀熊佑哉・櫻井俊太・PHAM NGOC VINH
(20) CFRP シートで補強した鋼トラス橋の矩形断面下弦材に対する交番載荷実験/秀熊佑哉(日鉄ケミカル&マテリアル)・大垣賀津雄・宮下剛・服部雅史・後藤源太・櫻井俊太・PHAM NGOC VINH
(21) CFRP シートで補強した鋼トラス橋の H 形断面斜材に対する交番載荷実験/後藤源太(高速道路総合技術研究所)・大垣賀津雄・宮下剛・服部雅史・秀熊佑哉・櫻井俊太・PHAM NGOC VINH

(30) 基部に低弾性材料を巻付けた頭付きスタッドの変形挙動に関する実験研究/大垣賀津雄(ものつくり大学)・石川敏之・今川雄亮・大久保宣人・PHAM NGOC VINH

 

土木学会シンポジウム会場の様子

M2 安田翼さん(発表後の笑顔)

首都高速道路大師橋架替え工事現場見学

1968年に開通しました首都高速大師橋は,これまでに1200か所以上の鋼床版の疲労き裂が見つかっているとのことです.このような構造物の長期的な安全性を確保するため,き裂が発生しにくく,長期の耐久性と維持管理性を備えたより優れた構造へと,高速大師橋を作り替えています.高速大師橋リニューアルでは,現在の橋の隣(下流側)に,長さ約300mの新しい橋を組み立てて,現在の橋と新しい橋をスライドさせて一挙に架け替える工法を採用しています.これにより,現在の橋の撤去と新しい橋の架設という2つの工事を,合わせて2週間という短期間で実施されています.

このような大規模更新工事の現場を10月30日に見学させていただきまして,学生さんは大変勉強になったと思います.橋梁の送り出しや横取り架設は難易度も高く,種々の検討が必要になります.見学された学生さんが,将来このような施工に関する技術面で勉強され,一流の技術者として活躍されることを祈っています. 

 

見学時の写真

第23回碧蓮祭開催 研究室展示!

 10月28日29日,第23回碧蓮祭が開催されました.今年は4年前の碧蓮祭が復活したような感じです.大勢の方に来ていただき盛況です.地域のお祭りのようで,地域貢献の面でも評価されています.行田市長や白根会長も見えられました.これまでで最高に盛り上がっている学生のバンド活動があり,楽しい雰囲気でした.

 研究室卒業生が大勢集まってくれました.実験室でBBQしてとても楽しかったです.元気な姿を見せてくれて,また仕事や現場の様子をお聞きして,成長していることを感じました.

 各種共同研究を実施している当研究室の展示は,高速リニューアルに関する実験の紹介などを行っています.炭素繊維による鋼構造物の補強,鋼床版の下面補強,高強度緻密モルタルによるコンクリート床版の補強,ガラス繊維で製作された橋の実験,鋼構造システム建築施工実習等を展示しています.ぜひご覧ください.

バンド演奏 実行委員会が単管パイプ等足場材料で制作した舞台

 

各種模擬店

 

 来ていただいた卒業生は,2022年度卒(廣野,川端,後藤,杉山,名塚,平木,竹内),2022年度卒(平井,渡邉),2020年度卒(今村,大島,山田),2019年度卒(川端,BINH,前田),2018年度卒(下前,鈴木,田中)以上敬称略です.

 

卒業生との写真

 

炭素繊維による鋼桁の補強

 

トラス橋部材の炭素繊維による補強

 

鋼床版の下面補強

 

高強度緻密モルタルによるコンクリート床版の補修

 

ガラス繊維で制作された歩道橋の試験体

 

鋼システム(YESS)建築の施工実習(2年生)

 

M2安田翼さんが令和5年度土木学会全国大会 優秀講演者に選ばれました

令和5年度土木学会全国大会 第78回年次学術講演会優秀講演者表彰(広島工業大学)において,大学院2年生の安田翼君が,「供用下を想定した軽量樹脂モルタルの鋼床版Uリブへの充填施工試験」の内容を発表し,優秀講演者に選ばれましたことを報告します.

https://committees.jsce.or.jp/zenkoku/node/332

本表彰の趣旨は以下の通りです.

将来の土木界を担っていく若手の研究者および技術者の論文内容や講演技術が向上し,さらに全国大会が活性化することを目的とし定めたものです.今回講演される若手研究者,技術者の方々のご健闘を期待いたします.

 

安田翼さん(大学院2年生)

CFRP補強した鋼桁の曲げ載荷実験見学会開催

埼玉橋梁メンテナンス研究会主催の横倒れ座屈公開実験(https://www.iot.ac.jp/building/ohgaki/date/2023/08/)で座屈させた鋼桁(面外残留変位10mm程度)を炭素繊維強化ポリマ(CFRP)で補強しました.その供試体を10月10日に関係者公開で曲げ載荷実験を行いました.本技術は長年共同研究(ものつくり大学,NEXCO総研,長岡技術科学大学,および日鉄ケミカル&マテリアル)を行っている成果の適用確認という位置づけです.また,埼玉大学大学院博士課程で奥井教授に指導いただいているS氏の主な研究になります.

健全な鋼桁の横倒れ座屈耐荷力(最大荷重約150kN)であったものが,CFRP補強によって倍以上の横倒れ座屈耐荷力(最大荷重約350kN)になりました.ほぼ予測通りでした.上フランジはCFRP成形材で,下フランジと腹板上部はCFRPストランドシートで補強しています.

特に,上フランジ下面の補強においては,鋼桁の面外残留たわみに合わせてCFRP成形材曲線切りしています.大変難しい供試体の施工はすべて研究室の学生さんが行っており,すばらしい出来栄えでした.このようなハイレベルで世の中に役立つ実験研究が行えているのも,共同研究者各位,ならびにものつくり大学橋梁・構造研究室の皆様のお陰であると感謝しています.

実験内容の説明

 

公開実験の様子

 

載荷実験中

 

横倒れ座屈後の試験体