複合合成構造の活用に関するシンポジウムで発表

2019年11月14日,第13回複合・合成構造の活用に関するシンポジウム(土木学会と建築学会が共催)が開催されました.研究室の4年生,清水大輝君が以下の論文を発表しました.

・高伸度弾性パテが鋼材とCFRP の継手強度に与える影響/下前 照(ものつくり大学),清水大輝,大垣賀津雄,西村晶拡,秀熊佑哉,宮下 剛,奥山雄介,小森篤也

この論文は,清水君が実験を,大学院の下前照君解析と執筆をしたものです.彼らの益々の成長を期待しています.

その他,研究室で取り組んだ研究の今回発表論文は以下の通りです.

・ステンレス2重鋼管合成柱の曲げ試験におけるモルタル付着性能に関する実験研究/大垣賀津雄(ものつくり大学)赤江信哉,中島 裕,石田 学,志村保美

・鋼材とCFRP の接着強度に関する実験的研究/西野晶拡(日鉄ケミカル&マテリアル),大垣賀津雄,秀熊佑哉,宮下 剛,奥山雄介,小森篤也

・CFRP が接着された鋼部材の熱応力に関する検討/秀熊佑哉(日鉄ケミカル&マテリアル),原田拓也,大垣賀津雄,宮下 剛,奥山雄介

・トラス橋ガセットプレート腐食部のCFRP による補修工法に関する実験的研究/原田拓也(高速道路総合技術研究所),大垣賀津雄,宮下 剛,奥山雄介,秀熊佑哉

緊張しながら質問に答える清水君
終了後の懇親会にて

碧蓮祭で研究内容を紹介!

今年の碧蓮祭は天気もよくなり,大勢の来場者が来ています.研究室では最近の実験内容(CFPによる鋼部材の補強,GFRPの橋梁の耐荷力,高強度緻密モルタルなど)の展示や、大学対抗のブリコンに参加時に制作した橋梁模型を展示しています。また子供たち向けトルシアボルトの締め付け体験も行っています。研究室の学生が自ら企画して運営しています。

CFRPによる補強確認実験
GFRP橋の強度確認実験
高強度緻密モルタルによる床版延命化
ブリコン2019 構造部門優勝,美観部門優勝 作品
ブリコン2019 KABSE特別賞(3年生)作品
ブリコン2018 審査員特別賞 作品
トルシアボルト締め付け体験

浦添大公園でGFRP歩道橋架設-安全性確認実験を実施-

2019年10月16日,沖縄県浦添公園でGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製の歩道橋が架設されました.この橋は㈱コムテック社(熊本県)にて,オランダから技術導入したVI(Vacuum Infusion)法により製作したGFRP成形材を,エポキシ樹脂で接着集成した箱桁構造です.幅2.5m,橋長18.5mであり,VI法で作られたGFRP橋としては国内最大級になります.

GFRPは,従来の鋼や鉄筋コンクリート,または木材に比べて耐腐食性が高く,軽量であることから,腐食環境の厳しい浦添大公園において,ライフサイクルコストに優れているとの判断で採用されました.本年,7月に,ものつくり大学のストラクチャー実験室において,実橋1/2断面サイズ供試体の曲げ載荷実験とせん断載荷実験を行い,本橋の安全性を確認しました.今後,この種のFRP橋のますます発展を祈念します.

浦添大公園歩道橋架設
浦添大公園歩道橋架設
浦添大公園歩道橋架設完了
曲げ載荷実験
せん断載荷実験

「建築材料の本」を出版!

ものつくり大学・建設学科の大塚先生と一緒に執筆して, 出版することになりました.10/17発売です.
日刊工業新聞社:「トコトンやさしい建築材料の本」
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00003461
建築業界に就職され実務に携わる方々や建築分野を志す学生さん向けに,本書は執筆しています.建築は身近な存在であり,様々な建築様式があります.最近の建築材料は多様化しており,あらゆる情報を記載することは困難です.そのため,製造者の視点ではなく使用者の視点で,建築材料の選定から適用方法までの要点を提示すべく努めています.
ものつくり大学で実物に近いサイズの各種建設材料を用いた実習の授業や,卒業研究の指導を行っています.本書に掲載した建築材料のほとんどは,日頃から学生に説明しています.
そのような感覚で,建築のことがよくわからない人にとっても,イラスト,写真,表などを多く取り入れて,できるだけやさしい表現に心掛けています.
 ここに記載した説明で,これから建築の仕事に携わる若い方々に,少しでも建築材料に興味を抱いてもらう契機になり,日本の高度な技術や技能の伝承に結び付けば幸いです.

土木学会年次学術講演会にて発表!

2019年9月3日~5日に,高松の香川大学にて土木学会年次学術講演会が開催されました.ものつくり大学の大垣研究室から共同研究関連で,以下の発表を行いました.

  • 腐食損傷のあるトラス橋下弦材のFRPによる圧縮強度補修に関する実験研【IOT教授:大垣 賀津雄が発表】
  • CFRP シートによる腹板の補強方法をパラメータとしたせん断耐荷力に関する実験的研究 【卒業生で施工総合技術研究所の菊地新平さんが発表】
  • 曲げとせん断を受けるプレートガーダーのCFRPシートによる補強効果に関する実験研究 【大学院生の下前 照君が発表】
  • 高強度高靭性緻密モルタルの床版上面不陸調整層への適用性能に関する実験研究 【4年生の関貴悠君が発表】

以下は,共著であり,共同研究者による発表です.

  • 炭素繊維シート接着により補強された鋼製円管の耐荷力に関する実験的研究
  • トラス橋下弦材格点ガセットプレート腐食部のCFRPによる補修工法に関する実験研究
  • 孔食を有する鋼製円管の炭素繊維シート補修に関する検討
  • 一軸引張を受けるCFRPシートが接着された鋼板の非線形解析に関する研究
  • 変形を有した鋼部材に対する炭素繊維シート接着工法の適用に関する検討
  • SBHS500を用いた無補剛箱形断面部材の座屈強度実験による一検討
  • ステンレス2重鋼管合成柱の曲げ耐荷性能に関する実験研究

 講演会2日目は午後のセッションがないので、鋼橋技術研究会・鋼橋の劣化機構検討部会(部会長:ものつくり大学・大垣賀津雄)の委員会メンバーと共に,NEXCO西日本さんの案内でキングポストのケーブルトラス橋である竹花橋をみることができました.藤井先生も飛び入り参加でした.また,川重の旧橋である斜張橋さぬき府中湖橋(鶴橋)と,ニールセンローゼの府中湖大橋(亀橋)も見学しました.以前より見たかった橋です.関係者の皆様に感謝いたします.

発表の様子(4年生の関 貴悠君 )
研究室メンバー
鋼橋技術研究会メンバーと広島大学藤井名誉教授
ケーブルトラスト構造 の竹花橋 
ケーブルトラスト構造 の竹花橋 
斜張橋のさぬき府中湖橋(鶴橋)
ニールセンローゼの府中湖大橋(亀橋)