CFRP補強した鋼桁の曲げ載荷実験見学会開催

埼玉橋梁メンテナンス研究会主催の横倒れ座屈公開実験(https://www.iot.ac.jp/building/ohgaki/date/2023/08/)で座屈させた鋼桁(面外残留変位10mm程度)を炭素繊維強化ポリマ(CFRP)で補強しました.その供試体を10月10日に関係者公開で曲げ載荷実験を行いました.本技術は長年共同研究(ものつくり大学,NEXCO総研,長岡技術科学大学,および日鉄ケミカル&マテリアル)を行っている成果の適用確認という位置づけです.また,埼玉大学大学院博士課程で奥井教授に指導いただいているS氏の主な研究になります.

健全な鋼桁の横倒れ座屈耐荷力(最大荷重約150kN)であったものが,CFRP補強によって倍以上の横倒れ座屈耐荷力(最大荷重約350kN)になりました.ほぼ予測通りでした.上フランジはCFRP成形材で,下フランジと腹板上部はCFRPストランドシートで補強しています.

特に,上フランジ下面の補強においては,鋼桁の面外残留たわみに合わせてCFRP成形材曲線切りしています.大変難しい供試体の施工はすべて研究室の学生さんが行っており,すばらしい出来栄えでした.このようなハイレベルで世の中に役立つ実験研究が行えているのも,共同研究者各位,ならびにものつくり大学橋梁・構造研究室の皆様のお陰であると感謝しています.

実験内容の説明

 

公開実験の様子

 

載荷実験中

 

横倒れ座屈後の試験体