浦添大公園でGFRP歩道橋架設-安全性確認実験を実施-

2019年10月16日,沖縄県浦添公園でGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製の歩道橋が架設されました.この橋は㈱コムテック社(熊本県)にて,オランダから技術導入したVI(Vacuum Infusion)法により製作したGFRP成形材を,エポキシ樹脂で接着集成した箱桁構造です.幅2.5m,橋長18.5mであり,VI法で作られたGFRP橋としては国内最大級になります.

GFRPは,従来の鋼や鉄筋コンクリート,または木材に比べて耐腐食性が高く,軽量であることから,腐食環境の厳しい浦添大公園において,ライフサイクルコストに優れているとの判断で採用されました.本年,7月に,ものつくり大学のストラクチャー実験室において,実橋1/2断面サイズ供試体の曲げ載荷実験とせん断載荷実験を行い,本橋の安全性を確認しました.今後,この種のFRP橋のますます発展を祈念します.

浦添大公園歩道橋架設
浦添大公園歩道橋架設
浦添大公園歩道橋架設完了
曲げ載荷実験
せん断載荷実験

「建築材料の本」を出版!

ものつくり大学・建設学科の大塚先生と一緒に執筆して, 出版することになりました.10/17発売です.
日刊工業新聞社:「トコトンやさしい建築材料の本」
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00003461
建築業界に就職され実務に携わる方々や建築分野を志す学生さん向けに,本書は執筆しています.建築は身近な存在であり,様々な建築様式があります.最近の建築材料は多様化しており,あらゆる情報を記載することは困難です.そのため,製造者の視点ではなく使用者の視点で,建築材料の選定から適用方法までの要点を提示すべく努めています.
ものつくり大学で実物に近いサイズの各種建設材料を用いた実習の授業や,卒業研究の指導を行っています.本書に掲載した建築材料のほとんどは,日頃から学生に説明しています.
そのような感覚で,建築のことがよくわからない人にとっても,イラスト,写真,表などを多く取り入れて,できるだけやさしい表現に心掛けています.
 ここに記載した説明で,これから建築の仕事に携わる若い方々に,少しでも建築材料に興味を抱いてもらう契機になり,日本の高度な技術や技能の伝承に結び付けば幸いです.

土木学会年次学術講演会にて発表!

2019年9月3日~5日に,高松の香川大学にて土木学会年次学術講演会が開催されました.ものつくり大学の大垣研究室から共同研究関連で,以下の発表を行いました.

  • 腐食損傷のあるトラス橋下弦材のFRPによる圧縮強度補修に関する実験研【IOT教授:大垣 賀津雄が発表】
  • CFRP シートによる腹板の補強方法をパラメータとしたせん断耐荷力に関する実験的研究 【卒業生で施工総合技術研究所の菊地新平さんが発表】
  • 曲げとせん断を受けるプレートガーダーのCFRPシートによる補強効果に関する実験研究 【大学院生の下前 照君が発表】
  • 高強度高靭性緻密モルタルの床版上面不陸調整層への適用性能に関する実験研究 【4年生の関貴悠君が発表】

以下は,共著であり,共同研究者による発表です.

  • 炭素繊維シート接着により補強された鋼製円管の耐荷力に関する実験的研究
  • トラス橋下弦材格点ガセットプレート腐食部のCFRPによる補修工法に関する実験研究
  • 孔食を有する鋼製円管の炭素繊維シート補修に関する検討
  • 一軸引張を受けるCFRPシートが接着された鋼板の非線形解析に関する研究
  • 変形を有した鋼部材に対する炭素繊維シート接着工法の適用に関する検討
  • SBHS500を用いた無補剛箱形断面部材の座屈強度実験による一検討
  • ステンレス2重鋼管合成柱の曲げ耐荷性能に関する実験研究

 講演会2日目は午後のセッションがないので、鋼橋技術研究会・鋼橋の劣化機構検討部会(部会長:ものつくり大学・大垣賀津雄)の委員会メンバーと共に,NEXCO西日本さんの案内でキングポストのケーブルトラス橋である竹花橋をみることができました.藤井先生も飛び入り参加でした.また,川重の旧橋である斜張橋さぬき府中湖橋(鶴橋)と,ニールセンローゼの府中湖大橋(亀橋)も見学しました.以前より見たかった橋です.関係者の皆様に感謝いたします.

発表の様子(4年生の関 貴悠君 )
研究室メンバー
鋼橋技術研究会メンバーと広島大学藤井名誉教授
ケーブルトラスト構造 の竹花橋 
ケーブルトラスト構造 の竹花橋 
斜張橋のさぬき府中湖橋(鶴橋)
ニールセンローゼの府中湖大橋(亀橋)

ブリコン2019で2部門制覇

2019年8月28日~30日,九州工業大学において,Japan Steel Bridge Competition 2019が開催され,全国から21大学・23チームが参加して競技を行いました.ものつくり大学Aチーム(4年)は,構造部門1位,美観部門1位,総合部門3位を獲得しました.
建設学科の大垣研究室と総合機械学科の武雄研究室のメンバーが協力して,今年度も参加することができました.これも関係各位のご協力のおかげです.成績詳細は以下の通りです.

架設部門:1位:室蘭工大,2位:九州大,3位:山口大
美観部門:1位:ものつくり大A, 2位: 室蘭工大 ,岩手大,京都大
構造部門:1位:ものつくり大A,2位:名城大,3位:室蘭工大
総合部門:1位:室蘭工大 ,2位:名城大,3位:ものつくり大A
審査員特別賞:熊本高専
KABSE賞:ものつくり大B(3年研究室混成チーム),来年期待しています.
次年度は福井大学で開催予定です.

架設競技
載荷競技
プレゼン競技
ものつくり大学Aチーム
ものつくり大学Bチーム
表彰式後の様子

約3か月間かけて学生が自ら,設計,構造解析,材料選定,鋼材の切断,溶接,穴あけ,組立て,載荷試験,架設計画,架設練習を行い,大会に臨みます.

以下は競技内容の説明です.架設部門は最大部材寸法(800mm)の部材を,ボルト接合して4mの鋼製橋梁模型を組立てる架設競技を行います.作業人数が少なく組立てる時間が短いほどポイントが上がります.美観部門は各チームや教員による審査投票のポイントを競います.構造部門は230kgの台車をレール上を移動させる載荷競技を行います.支間中央のたわみの規定値(今回は14mm)に近いほど高いポイントとなります.総合部門は架設競技,載荷競技,美観・デザイン競技,プレゼン競技のポイントから総合順位を競います.

以上の取り組みから,以下の幅広いエンジニアリングを学びます.

1.基本的な工学知識の応用力や問題解決能力

2.品質,安全,工程,コストなどの施工管理能力

3.チームワーク,協調性,およびコミュニケーション能力

4.他大学の取組みを学習することから,設計・製作・架設の技術力

インターンシップ終了

第2Q,2か月におよぶ2年生のインターンシップが終わりました.受け入れていただいた企業の方々に大変感謝いたします.多くの学生から,とても勉強になったと好評でした.改めて,知識,経験の重要性を学び,今後の成長に役立つと思います.今回,約10社にあいさつ回りしましたが,私が都合つかずに行けなかったところもあります.心よりお礼申し上げます.

ニッケン建設様
住宅やオフィスビルの模型を製作しました
川村建設工業様
日本自動機工様