屋台カウンター制作

これまで研究室では地域貢献の一環で,工務店や建材店と協力して地域産材の活用とそのアピール

を兼ねて,木工教室やワークショップを開催してきました。

その際,簡単な出店などを出す時に屋台を用意しますが,オリジナルの屋台のようなカウンターを

制作することを一つの目標としてきました。

それから1年以上経てようやく「屋台カウンター」の形が見えました。

今回は建材店の感謝祭でジュースを振る舞う屋台に使うということでカウンター状の高さを必要とします。

スケッチと模型を作成して実物のイメージを共有します。

ものとして手を動かして実際に制作する前にイメージを共有して案をブラッシュアップすることが大切です。

今回,集成材のカラマツフリー板(厚さ25㎜)を活用してスリット状の軽やかな構成のデザインを目指し,

学生メンバーが夜遅くまで作業をしました。

脚元にはキャスターをつけて移動や固定も可能としました。

カウンターの天板は磨いてクルミをすり潰して塗布して艶を出します。

板は長ネジを通し,板と板を落とし込み,そのの間には樹脂製の配管をカットしてスペーサーとして

スリットの間隔を保ちます。

板と板の接合は角度をつけて土台を固定することでその角度を保ちます。

角度もフレキシブルに変える余地は残してあります。

板は積み上げるごとに幅を変えてゆるやかな曲線を描きます。

直線材としての板で曲面や曲線を構成することがデザイン上のコンセプトの一つです。

建材店でお披露目で好評ではありましたが,長ネジを延長した屋根の構法が今後の課題の一つです。

高崎の民家改修打合せ

高崎経済大のサークルの学生たちが運営している0号館という民家があります。

本学のアドバイザーの方の所有であったことから,今回この0号館の改修相談がありました。

昔ながらの土間や柱・梁などがあらわになった民家です。

当初は雨漏りのため屋根改修の予定でしたが,工事が大掛かりになることから,

既に簡単な修繕は終えていることも考慮して,先ずは縁側のフローリング補修や

それに付随する濡れ縁の新設を卒業制作や研究室のプロジェクトとして進める予定となりました。

民家は学生サークルが既にマルシェやカフェとして地域の人達も交えて活用されており,

吹抜けはイベントの飾りで彩られていました。

1階のリビングで今後の打ち合せを行い,当研究室の学生から濡れ縁のスケッチを提示しました。

経済系大学の学生は民家のカフェやマルシェなど使い方のソフト面,

建築系大学の本学学生は民家の修繕技術 やデザインなどハード面を担い,

両者の相互作用によって,これからのリアルな社会の在り方が実現できればと思います。

縁側とリビングにも段差がありこれらをフローリング改修の際に改善したいものです。

この縁側の外にある庭の畑の前に濡れ縁を張り出して設ける予定です。

戸田市空き家実測調査2

6月に引き続き,7月も2回,戸田市内の空き家実測を行いました。

正確には実測よりも先に一部解体が必要なため,解体調査になります。

解体しないと基礎の形状や大きさ,壁内部や柱・梁などの構造が不明なため,

中身の仕様を確認しながら図面を描くための寸法を確認します。

今回は主に小屋裏の構法,1階の天井裏(2階の床下)を確認しました。

その場で目視してスケッチにすることでメンバーと構法を共有します。

これらは建築士会のプロの皆さんの実演があるからこそ,学生もそのコツを学べるわけです。

当研究室としてもそのノウハウを蓄積して後進にも継承していくことが大切です。

粉塵が多く発声するため教員も学生もゴーグルやマスクで防備しながら行う本当に地道な作業なのです。

研究室紹介2018

今年も3年生の研究室配属のため,6月26日に研究室紹介というよりほぼ自己紹介を5分間で行いました。

詳しい内容は既に多くの希望者や関心のある学生みなさんが個別に研究室訪問をしてある程度面談していたため,

僅か5分とい時間のなかで多くの学生にいかに憶えてもらうか,という視点でプレゼンを行いました。

普段の授業と比べてかなり笑いを頂けたようで驚いた次第です。

むしろ,驚いたのは聴衆の学生側かもしれませんが。。この人,こんな感じのプレゼンなのか・・・という具合かも。。

教員が学生を乗せて運ぶのでなく,学生らが一丸となってともに進み,教員はそれをサポート,誘導するイメージです。

真面目な研究紹介のスライドも以下に転載します。

卒業研究では下記のテーマの中で,設計,制作,論文全て対応可能です。

まだ配属〆切まで時間があるため,再確認や新たに興味を持った学生は遠慮なく研究室を訪問してください。

そして今月末か来月初旬には4年生とともに研究室の新たなメンバーとして一緒に進みましょう。

戸田市空き家実測調査

6月5日,27日に兼ねてから進めている【戸田市空き家改修プロジェクト】の実測調査を

埼玉県建築士会メンバーと研究室の学生らで行いました。

5日は炎天下,外部からの実測と内部の既存柱位置の把握などの調査をしました。

レベルやスタッフ(箱尺)を用いて計測する人,記録する人などプロの建築士の指導のもと学生らも役割分担して作業を進めました。敷地内には蔵があり立派な梁があることを確認できました。

図面作成のため,蔵の軒の出など外部から大まかに計測しているところです。

27日は前回,確認できなかった柱の位置や寸法を施主の許可を得て,一部解体したうえで,目視確認しました。

現場はもちろん電気は通っておらず学生たちの学内実習のとおり手道具で作業を進めました。手引きノコギリで床材をカットして基礎や土台の形状が確認できました。

壁も同様にカッターなどで切れ目を入れてノコギリも併用して仕上げを剥がすと,なんと土壁が

表れました。当時の改修や増築の歴史も感じることができます。

2階の床と1階の天井がつながり一部の構法などが確認でき,今後の実施改修計画に向けて地道な

作業が進みます。

林業体験@自由の森学園高校

研究室の院生が飯能市にある自由の森学園高校出身でというご縁で,

自由の森学園へ木質化改修された教室の見学と林業体験(林業講座)をしに,

研究室の学生と訪問しました。

地元の西川材(スギ)などを天井や壁などに多用しており,心地よい教室の雰囲気でした。

理事長先生のご案内と説明を聞いて,さらにご本人の担当授業である「林業講座」へ。

敷地に隣接する林を借りて山の手入れを授業を兼ねて行っているそうです。

見事なヒノキ林が拡がります。

先ずはヨキで倒す方向に「受け口」を刻み,その反対側からノコギリで「追い口」を刻みます。

そしてロープをかけて徐々に引っ張て行きます。

このロープを樹の上部へ上げるにはかなりの技を要しました。

ドスンという音が林に響き渡り,瑞々しいヒノキを間伐させて頂きました。

間伐することで森林資源の循環に貢献し,木造建築の材料の背景を体験する貴重な機会を頂き感謝です。

戸田研究室希望の3年生の皆さんへ

6月になりました。今月は研究室配属ガイダンスがあります。

既に当研究室を希望する学生は,研究室を訪ねてくれたり,ゼミを見学したり積極的にありがとうございます!

教員は着任3年目でまだ比較的,新しい研究室ですが,一期生10名は今春全員卒業,就職・進学しました。

現在,二期生8名の4年生と大学院生1名の計9名の学生院生と教員で活動しています。

例年,希望者がまあまあ多いため,選抜を行っています。

希望する学生は事前面談をして(といっても堅苦しいものでなく),リラックスしながら会話して,学生のことを少しでも知り,こちらのことも知ってもらう機会を設けていますので,希望者はできる限り早めに教員・研究室を訪ねて来てください。

事前にメール等で連絡をしてくれた方が確実に時間は取りやすいです。皆さんに会えること楽しみにしています!

大学院生が人間・環境学会で研究発表を行いました

5月26日(土)に工学院大学新宿キャンパスにて,戸田研究室の大学院1年生(M1)の青木さんが,
人間・環境学会(MERA:Man-Environment Research Association )第25回大会でポスター発表を行いました。
テーマは卒業研究の内容
「おひとりさま空間」の実態に関する研究 『新建築』誌からみた飲食店を事例として
を少し深めて考察しました。
多くの専門家から様々な指摘や新たな知見を得て今後の研究展開のヒントになったようです。
皆さんも最近,街の中でカフェなどで1人で過ごす人たちを見かけませんか?
個人の様々な理由で1人で過ごす風景がみられますが,そのような人の居方や
空間の特徴や等を文献調査と観察調査で分析した研究です。

人間・環境学会は環境心理系や建築系など学際的な学会で,特に学生や院生,若い研究者を育てる雰囲気のある,とても魅力的な集団です。

本学ならではの環境心理学とものづくりの意義をアピールできるよう,
指導教員としてもあらためて決意できた時間でした。

木造住宅設計と設計プレインターンシップ

3年生の木造住宅設計Ⅰでは,木造住宅のトレースをしながら各室面積のスケール感の把握に畳1帖の大きさ(910㎜×1820㎜)のイメージを大切にして指導しています。

〇〇平方メートル(平米・㎡)と聞いてもなかなかピンとこなくても,畳何帖分,例えば6帖と言われればおよその室内の大きさはイメージしやすいと思います。

それに基づき,トレース見本図面(S=1:100)の上から畳1帖の長方形のグリッドを手描きしてもらい,各室や通路を含めてグリッドを視覚化してそれぞれの面積の感覚を知る練習をしました。

平行定規・製図版の上にある手描き図面や見本の図面をノートPCカメラでスクリーンに映写して受講生が同時に内容を把握できるように工夫しています。

アナログ的な手描き図面とPC機能の融合で,製図授業に興味関心を持って集中して取り組んでもらっています。

トレースが終われば,オリジナルのプランを考えるエスキスに入りますが,その前に機能図・ゾーニングやプランニングをざっくりスケッチしてパターンを描かねばなりません。いきなり詳細なプランが導かれるわけでないこと等を説明します。

この時期,2年生はインターンシップ前でプレインターンシップを担当しました。製図だけでなく模型の基本的な制作の仕方や設計事務所の職場の雰囲気などを話して,スタイロフォームという素材をカットする熱線カッターの実演を行いました。

学生には話しを聞いてもらい,学生自らも体験できるバランスのとれた授業が肝心です。

建築学会埼玉支所役員会

建築学会関東支部には埼玉支所などいくつかの「支所」があるということを埼玉に来て知りました。

他の地域では〇〇支部でおよそ留まっている思いますが,関東支部には各「支所」があります。

昨年度からこの埼玉支所の幹事を務めており,4月の寄居町の交流展も終わりその報告と新年度のこと等の話がありました。

毎回,会合が終わると支所長始め,他大学の幹事メンバーでお決まりの日本酒の店で一杯付き合います。

今回は支所長はじめ,千葉大,小山高専,東京電機大,早稲田大の各先生方と。

埼玉支所長は地元工務店のご年配の代表者で,近年,若手の大学教員のメンバーも増えて平均年齢がやや下がったようです笑。

学会活動も研究だけでなく様々な行事の運営やら事務的な作業もあり,学内と状況は変わらないかもしれません。

いかに単純な事務作業等を効率化して,本来やるべき研究等を進めるか。

大学教員や学会会員の意識と行動が問われますね。まあこういう場は貴重な情報交換や励みとなる場でもあります。