遠隔授業に思う日々

実習は延期されましたが,設計演習や講義は遠隔授業となり,5月以降,ほぼ休みなくその準備などを進めました。

まあ始まってみれば楽しい面もあり,飽きてくる?部分もあり,学生の反応が気になるなど,これまでとは異なる環境でなんとか進めています。

これは紛れもなく,教員だけでなく学生とともに創り上げてゆく授業だという実感がします。

図面をほぼ真上から動画撮影する手法の練習:三脚とカメラのアングル

学生の立場からすると,対面型でなくほとんどスマホやPCの画面から見てもらうわけで,もの足りなさもあるかもしれませんが,その準備や課題チェックに費やす時間は,通常授業の倍以上なのです。

学生に対するアンケートで,例えばZOOMなどのリアルタイムオンラインでは,誰のどの授業に対しては不明ですが,教員が操作を分かっていないようで,もっと段取りよく進めてほしい,という意見が一つだけありました。気になりましたが,練習や段取りを決してしていないわけでないのです。練習や段取りをしていても,いざ実践してみてあらためて気づくことは多いわけで,それはまさに本学で行っている実寸大の制作実習を経験している学生なら自明のことのはずなのです。

または,知っていても授業中に初めて知ったというような表現をすることで学生とともに学ぶ雰囲気を醸成しているとも考えられます。遠隔授業としての教育的な場づくりの工夫かもしれません。

実習でもいくら理論を覚えても実際に自らの手や身体を使って作業しないと分からなかったことは多かったことでしょう。我々も同じなのです。

その意味で遠隔授業は学生と教員が一緒に創りあげていく空間と時間という認識を共有することが大切ですね。

そんなことを思わされる日々を有意義に過ごしています。

どうか日常に戻ってもこの遠隔授業をなくすくことなく,部分的にでも継続することで,よりアップデートしたモノづくり教育につながると考えます。

YouTube戸田チャンネル(限定公開 ※一部一般公開)https://www.youtube.com/channel/UCraBkhIWKuRQticFTuvirAw/

屋外実習場の紹介_木造編 ※1年生向け
木造住宅の切妻屋根あるいは杉の樹幹ポーズ!:YouTube戸田チェンネル開設
木造住宅のKPP(基本・プラン・パタン)スケッチ:
ノートPC Surfaceタッチペンによる手描きリアルタイム実演

木造住宅設計と設計プレインターンシップ

3年生の木造住宅設計Ⅰでは,木造住宅のトレースをしながら各室面積のスケール感の把握に畳1帖の大きさ(910㎜×1820㎜)のイメージを大切にして指導しています。

〇〇平方メートル(平米・㎡)と聞いてもなかなかピンとこなくても,畳何帖分,例えば6帖と言われればおよその室内の大きさはイメージしやすいと思います。

それに基づき,トレース見本図面(S=1:100)の上から畳1帖の長方形のグリッドを手描きしてもらい,各室や通路を含めてグリッドを視覚化してそれぞれの面積の感覚を知る練習をしました。

平行定規・製図版の上にある手描き図面や見本の図面をノートPCカメラでスクリーンに映写して受講生が同時に内容を把握できるように工夫しています。

アナログ的な手描き図面とPC機能の融合で,製図授業に興味関心を持って集中して取り組んでもらっています。

トレースが終われば,オリジナルのプランを考えるエスキスに入りますが,その前に機能図・ゾーニングやプランニングをざっくりスケッチしてパターンを描かねばなりません。いきなり詳細なプランが導かれるわけでないこと等を説明します。

この時期,2年生はインターンシップ前でプレインターンシップを担当しました。製図だけでなく模型の基本的な制作の仕方や設計事務所の職場の雰囲気などを話して,スタイロフォームという素材をカットする熱線カッターの実演を行いました。

学生には話しを聞いてもらい,学生自らも体験できるバランスのとれた授業が肝心です。

木造住宅設計Ⅰ(設計製図演習)

担当している授業,3年生の木造住宅設計Ⅰの紹介です。

一般的にほとんどの大学では前期,後期と2分割ですが,本学はクォータ制という,1年を4分割して授業が行われています。

現在は1クォータで,4月から6月上旬までになります。

1クォータは8回の授業になるので,一つの授業は短期集中型になるかと思います。

木造住宅設計Ⅰは4回目を終え,木造住宅2階建て(兄妹の二世帯と母が暮らす専用住宅)のトレースという,

見本の図面を見ながら描き写す作業で,木造図面は線が多く細かなところもありますが,集中して取組んでいます。

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