ゼミ夏合宿2019@福岡博多

今年は九州福岡へ。大雨のため長崎は断念し福岡博多を満喫。

初日,前職の麻生建築&デザイン専門学校と熊本大学大学院との合同ゼミでは現在のBIM教育研究の情勢や課題も掴めました。ものづくりとしての建築教育には【リアルな実寸大の実習とBIMのバーチャルリアリティを操るスキル、両者が重要で建築を拡張】させます。

2,3日目はアクロス福岡や天神中央公園 ハレノガーデン,中洲屋台など見学。
いろいろな場所をまわるのも良いですが,一ヶ所に留まりその周辺をじっくり見る経験になり,学生らも普段よりメンバーとの親睦を深めたようです。

博多の山笠も見学し,博多塀で男衆記念撮影!おつかれさまでした。

木造建築視察@岩手県遠野市・住田町

夏休み前,研究室有志で科研テーマである木造空き家に関する視察に岩手に行きました。

遠野市の山奥にある クイーンズメドウ・カントリーハウス 。木造の馬屋やゲストハウスが広大な敷地の中に点在しています。

外壁の木板はメンテナンス(張り替え)が容易な納まりで,板の上から桟 と真鍮釘で押さえられています(押縁)。建築家:吉村順三の軽井沢山荘と同じディティールとのことでした。

上から外壁の断面を見ると納まりがよく分かりました。

この地域の半屋外的中間領域空間【通り抜け土間】のある民家の形式は,近現代の住宅やゲストハウス等に引き継がれていました。かつて馬屋のあった民家で馬と人の出入りに配慮してこのような門構えが,通りと庭を繋いだのです。

今は自動車等を出し入れしたり機能的に異なる使い方もされているようですが、形態が現在にまで残っていることが重要です。 宿泊先の民宿もまさにこの形式でした。

古き良き時代の民家を補強しながら長く使い続けることで,多くの人達にその魅力を継承していくことになります。

続いて林産地である住田町へ。役場庁舎等をご案内頂き,3.11の木造仮設住宅を視察しました。町内の約9割もが森林に覆われ,主に地元の杉や唐松を用いて構成。大屋根は凸レンズ型のトラス梁で無柱空間や大きく張り出した庇となり,ラチスの耐力壁は採光・通風も可能。いずれも町内の加工場で製材・調達可能な材寸で制作されていました。

風徐室など後付けオプションで暮らし方の工夫】が見られる一方で,【空き家か否かは玄関先の雑草の量】で見当がつきます。 どんな高性能で最新の建材や設備よりも 【人が住み、暮らすことで住宅が維持され生きていく】というあらためて当然のことを想起させられました。

木育ファミリーディ&デジタルファブリ―ケーション2019

某企業様からのご依頼で,ファミリーディとう社員のご家族様のイベントに木育をしてほしいということで,学生メンバーらで準備から運営などをプロデュースしました。

お隣の総合機械学科の先生と学生に協力頂いて,レーザーカッターで切り抜きや彫刻を行った木材で木のおもちゃやバードコールのサンプルを制作。

このようなデジタルファブリ―ケーションの技術では曲線の加工がCADデータと連動して容易に可能で,組み立ては手加工も併用するため,学生らの木を使ったものづくりに対する創作意欲も深まります。

イベントでは予め大学の実習の廃材をカットして大まかに磨いて,参加者の皆さんにはサンドペーパー等で仕上げをして頂きました。卵型のバードコールです。

社員みなさんのご家族に楽しんで頂き,学生らも喜んでいました。 これまでの研究室の木育・木工教室ではかなり多彩で盛り上がりました。

山林とプレカット工場見学@秩父市

インターンシップ先の企業の計らいで研究室メンバー一同,秩父市の山林を見学。

自動車で奥地まで行き,後は徒歩で登る。空気が爽快。

スギの木立を背景に林業家の方から説明を聞く。

先日は飯能の山で林業体験をさせて頂き,さらに今回は人工林を育ててきた方々の話で学ぶ。

埼玉秩父の急峻な山や谷の地形は奈良吉野にそっくり。ここの林業家も吉野で林道のつくり方を修業したという。20数年前の学生時代に吉野川上村の林道で見たような小鹿に今日まさに出会った。林業家の方々にとって鹿は杉の苗木等を食べる天敵。少子化対策ならぬ少鹿対策が必要だがどうにも仕方ない状況。

プレカットは自動で通り番号等が木材に印字される。樹木が製材され木材となり、加工され建材となるプロセスが掴めたはずです。