2017, 3年生研究室配属ガイダンス -希望される学生皆さんへ-

本日は3年生を対象にした研究室配属ガイダンスでした。

話を聴いてくれた皆さん,ありがとうございました。

鉄板ネタ?で笑って頂けたようで,大変嬉しかったです。

 

笑いや楽しさが人を前向きに元気にさせる,

そんな当然のような場面やことに着目して,日々,空間や場所を観察し続けることで

その魅力に気づく,あるいはデザインしてつくるヒントやセンスの向上になると思っています。

 

当研究室を希望する学生皆さんはホームページを見て,

詳しくは研究室を訪ねて私や4年生の学生と話をしましょう。

ゼミも公開しているので事前に問い合わせてください。

 

既に数名の学生さんは研究室を訪問してくれていますが,

何度訪れて頂いても構いません。事前にできる限り,連絡を頂けると助かりますが。。

卒業や将来に向けて,なぜ研究や設計をするか?それぞれ一緒に考えながら進んでいきましょう。

建築家:隈 研吾 氏の記事を執筆しました。

今年の2月にパレスホテル大宮で行われた,本学の特別公開講座で建築家・東京大学教授の隈研吾氏の「デジタル・ファブリケーション-新国立競技場から未来のものづくりに向けて-」と題した講演について,私がものつくり大学通信に執筆した記事が公開されたので,以下にリンクとともに転載します。

主に,デジタル技術を駆使した新国立競技場に対して,隈氏が著作「小さな建築」でも述べられているように人間的なスケールのモノの仕組みを積み上げることで,建築を使う様々な人と空間が見事につながっていることを論じました。

ものつくり大学通信第17号,p.16 (PDFデータ9P)

隈氏は2020年東京オリンピックの新国立競技場の設計者で、小学生の時に1964年東京オリンピックで代々木体育館の吊り構造の美しさに魅せられ建築を志されました。新国立競技場は一見、デジタル技術を駆使した大きな建築ですが、隈氏は主に人間や自然環境の観点で語られました。法隆寺五重塔や明治神宮の軒は日射や雨を凌ぐだけでなく、日本の伝統的な木造技術の美しさがあり新国立競技場でも軒裏等に国産のヒノキやカラマツ等の木を用いて、「人」が見上げた時にデザインの見せ場があることを主張されました。木を多く使う理由として、幼い頃に木造の家で育ち自ら建築に手を加えて修理することができる楽しさを知ったことや、これからの時代は自然素材として木が相応しいことを挙げられました。
他にも小さな店舗から大きな公共建築まで多くの国内外の事例を紹介し「建築の幅が広がった」と結論づけられました。それらの共通点として建築が「人」に相応しい大きさとなる工夫がみられました。つまり、建築設計のアイデアの源は木の玩具や建具、家具等の「小さなものの仕組み」だったのです。
最後に「多様で新しい社会が来た、ものつくり大学はそれに相応しい」と総括されました。まさに本学が進む未来の方向性を示唆されたのです。
建設学科准教授 戸田都生男(とだ・つきお)

研究室の柱とパーテーション

研究室の学生の場を自分たちでつくっていくことが,昨年8月の学生配属以降の一つの課題でした。

先日のオープンキャンパス前にようやくカタチになりました。

 

 

早速,研究室の4年生とオープンキャンパスに来た高校生がこの場で話をして和んでいました。

教員が着任した2016年4月の時点では,学生の場は既成品の机と椅子などがあった程度でしたので,

この春休みには棚を制作し,今回はオープンキャンパスで高校生も研究室の見学に来ることや,

4年生もいよいよ卒業研究が本格化するため,自らの居場所を整備しようと動き出したのです。

 

木材は棚と同様に活動をともにしているスギララケ倶楽部埼玉支部の関係者の方から譲って頂きました。

主にスギの柱材,鴨居材,胴縁材です。

加工場では柱間に入れる胴縁という壁の下地材を削ったり,鴨居や敷居の材料をカットしました。

 

柱の上部と下部にはアジャスターボルトという金具を利用し,

天井と床をボルトを締めて突っ張ることで柱を固定しました。

 

ボルトは柱の中まである程度,貫通しているので自立固定もしますが,鴨居と敷居で柱の上部と下部をつなぎ,

柱を平面上でL字型に配置することで,ボルトの突っ張り(引っ張り)の力に頼るだけでなく,安定するように考慮しました。

柱間には本来,下地材になる胴縁を磨いて,曲線を描くように互い違いに柱間に刻んだ溝に落とし込みました。

ウェーブを描くルーバーのようなパーテーションで,目線は隙間をやや大きく空けて完全に仕切らず見通せる工夫をしました。

作業しながら現場で学生らが意見交換して決断するなど,実際のものづくりを通じて自分たちの居場所ができていく。素晴らしいと思います。