第18回卒業設計コンクール展で特別審査員を務めました。

2018年4月14日(土)~17日(火)まで浦和市にある埼玉会館で,一般社団法人埼玉建築設計監理協会主催の第18回卒業設計コンクール展が開催され,教員:戸田が特別審査員を務めました。

  

  

  

本学建設学科からは学内の卒業設計審査会で上位4選の藤原研究室3名,戸田研究室1名,計4名が出展しました。

4月15日(日)にプレゼンテーション・公開審査の結果,出展数9大学35作品の中から本学藤原研究室の桐淵玲央さんの作品「再誕」-Memories of Main Shaft- が,「準埼玉賞」「JIA埼玉賞」「さいたま住宅検査センター賞」の3賞を受賞しました。

この作品は地元行田市の特定空き家密集地域にある空き家の柱を残し,新たな商店街や集合住宅等の複合施設としてリノベーションする提案です。木造住宅の柱を基点として地域の歴史や空間の記憶に着目して新たな提案をした点等が評価されました。

また,大切なのは受賞有無に関わらず,多くの建築家や大学教員,各種団体のプロの方々から卒業したこの時期に講評コメントを頂き,質疑応答する等,自らの設計に対するスタンスを振り返る場であることです。

さらに一般の方々に設計の提案がどのように映るか,その成果が問われ再確認できる場でもあります。学内に留まらず大学院や社会人として発つこの時期こそ振り返るチャンスかもしれません。

評価は場所や人によっても様々,一喜一憂はそこそこに次に向けてまた歩き出してほしいと思うのです。

打上げ後の本学出展者学生(卒業生)と藤原先生,岡田先生,戸田で記念撮影。皆さん良い笑顔です。

2018年度 春 新年度スタート

あっという間に何度末が来て新年度を迎えました。

ものつくり大学建設学科の今年度入学者数は約190名でした。

戸田研究室は大学院1年生1名,学部4年生8名の計9名でスタートです。

夏にはまた新しい3年生も加入してくるのが楽しみです。

今年は桜が早く,入学式には葉桜で,授業も始まりまた日常の大学の雰囲気に戻りつつあります。

卒業生いわく,私の口癖は「それは,あかんで」のようです。

今年度は「それは,ええで」を多く発言できるように努めたいと思っています。

京都府立大学 地域貢献型特別研究 口頭発表を行いました。

2018年3月20日は母校,京都府立大学の稲盛記念会館で地域貢献型特別研究の研究発表会でした。

共同研究者として教員の戸田が,美山木匠塾の学生参加者の感想文の分析経過を発表させて頂きました。

   

主にテキストマイニングという計量テキスト分析ソフトを使った方法で,

感想文のテキストを量的かつ質的に分析して活動効果を考察します。

今後の地域活動にもフィードバックできればと思います。

懐かしい,松原研究室からの外の風景と窓辺の緑です。社会人博士後期課程で学んだ日々を思い出します。

夜の京都タワーや四条の路地を歩きながら眺め,束の間ですがリラックスもできました。

今後も京都での研究活動も進めていく予定です。

戸田市空き家リフォームプラン展示会

昨年より当研究室で協力している埼玉県戸田市の空き家リフォームプランを3年生主体で提案しました。

 

戸田市まちづくり推進課と埼玉建築士会青年部のメンバーと連携して,

既存住宅(空き家)の実測を基にした,戸田市が求める「子育て支援住宅」の提案です。
周辺地域の環境を調査して,空き家を子育てしやすい住宅の改修案として図面パネルと模型等で展示しました。

日時・場所
3月17日(土)〜3月18日(日)午前9時30分〜午後4時まで @あいパル1階市民ギャラリー
3月19日(月)〜3月23日(金)午前9時30分〜午後4時まで @戸田市役所2階ロビー

 

 

トダバンクという空き家バンクを含めた様々な地域に必要な用途を持たせた拠点の提案や,

木育コーナー等も設けて,老若男女で助け合う地域の暮らし方を演出した展示空間としました。

多くの地域の方々に来場頂き,生の声を聴けたこと等,貴重な経験となりました。

新年度から継続的に戸田市の空き家対策について研究室でも取り組む予定です。

2017年度 卒業式 戸田研 1期生

2018年3月16日,卒業式でした。

戸田研究室としての1期生10名ありがとう!おめでとう!

始まったばかりの研究室をよく選んでくれました。1年半、プロジェクトや卒研など充実した日々は一生の宝物です。

いつものスギ(杉)三角ポーズと笑顔で最後の集合写真。

この場所で長い時間,研究や設計活動に励みました。

とくに女子3名はそれぞれ個性的でした。

寄せ書き,手作り木時計,花,コーヒーなどを頂き感無量です。

研究室パーテーションの柱にそれぞれの身長を慎重に記して,これからのみんなの伸長(力の伸び)を期待します!

インド アムラワティへ

教員が出張で初めてインドに行きました。2月23日〜3月1日迄の約1週間の滞在でした。

 

成⽥から約10時間のフライトとムンバイからの道路渋滞,
翌日ほぼ丸1日かけて列車移動の長旅で現地の目的地に入りました。
デカン高原付近,内陸部のアムラバティという郊外の大学等を視察しました。

 

インドの学生たちの積極的で熱心なプレゼンをたくさん聞いて元気を頂いた気分です。

ゆく先々で多くの人と出会い,歓迎され記念撮影を求められたことも印象的です。

 

 

また,とくに女性は地面に砂で絵を描く(コーラム=砂絵)ことがあり
大学学舎の入口付近に歓迎の意を込めて描かれており,その美しさが印象的でした。
建築系のスケッチやドローイングも秀逸だったため,そのような習慣の影響もあるのかもしれません。

 

 

本学,当研究室の学生らにも伝えて,よりいっそうの積極性を期待したいと思います。

 

 

現地マラティー語で覚えた主な⾔葉は,

パニ,パニ  水,水
ノコ,ノコ もうお腹いっぱいです
マラ ナム 〇〇 アヘ 私の名前は〇〇です。

異文化体験を経て,いつかまた旅もしてみたいと思わされました。

川上村木匠塾20周年記念フォーラム 2018年2月10日

2月10日に奈良県川上村で教員がシンポジウムパネラーとして登壇しました。

川上村木匠塾(もくしょうじゅく)は教員が大学生だった約20年前に参加していた,

木を使ったものづくりワークショップで関⻄の建築系大学が現地の吉野林業のスギ材を使い,

ベンチや休憩小屋など地域に役立つものを制作する活動です。

講演では,スギをアピールするためのポイントとして木匠塾の参加学生の影響として,
「内発的動機づけ」に着目できることを説き,有能感や達成感がこの活動の持続性になっており,
社会に出てからも人と人などの「つながり」に期待したい旨を述べました。

 

私のヘアスタイルが尖った形なのはスギの姿形をイメージしていることも(笑)。
この活動が博士論文の一テーマでもあり,今の活動の原点でもあります。

懐かしい村の方々,OBOG,大学教員らとの再会や今回のシンポジウムゲストとの出会いもあり,
今後も活動はもちろん村と学生の関わりも深くなってゆくことを願います。

大阪芸大建築学科50周年記念展覧会出展

2018年1月27日,28日に,大阪あべのハルカスにて,

教員:戸田の母校,大阪芸術大学芸術学部建築学科50周年記念展覧会に研究者として出展しました。

主に,約20年前,芸大時代の活動と専任教員として建築の教育研究を始めた2013年の麻生建築&デザイン専門学校時代から,

現在のものつくり大学での活動をまとめた記録です。

日本建築学会 建築雑誌2018年1月号 論考掲載

日本建築学会の建築雑誌2018年1月号に教員:戸田の論考が掲載されました。

No.1706 1月 01 建築と学び
特集= 02 デジタル(のよう)に学ぶ

木のものづくりが育む学生のモチベーション -木匠塾に取組む学生への調査から-

伝統的な建築の学会誌であり,貴重な機会を頂き感謝します。

建築家:隈 研吾 氏の記事を執筆しました。

今年の2月にパレスホテル大宮で行われた,本学の特別公開講座で建築家・東京大学教授の隈研吾氏の「デジタル・ファブリケーション-新国立競技場から未来のものづくりに向けて-」と題した講演について,私がものつくり大学通信に執筆した記事が公開されたので,以下にリンクとともに転載します。

主に,デジタル技術を駆使した新国立競技場に対して,隈氏が著作「小さな建築」でも述べられているように人間的なスケールのモノの仕組みを積み上げることで,建築を使う様々な人と空間が見事につながっていることを論じました。

ものつくり大学通信第17号,p.16 (PDFデータ9P)

隈氏は2020年東京オリンピックの新国立競技場の設計者で、小学生の時に1964年東京オリンピックで代々木体育館の吊り構造の美しさに魅せられ建築を志されました。新国立競技場は一見、デジタル技術を駆使した大きな建築ですが、隈氏は主に人間や自然環境の観点で語られました。法隆寺五重塔や明治神宮の軒は日射や雨を凌ぐだけでなく、日本の伝統的な木造技術の美しさがあり新国立競技場でも軒裏等に国産のヒノキやカラマツ等の木を用いて、「人」が見上げた時にデザインの見せ場があることを主張されました。木を多く使う理由として、幼い頃に木造の家で育ち自ら建築に手を加えて修理することができる楽しさを知ったことや、これからの時代は自然素材として木が相応しいことを挙げられました。
他にも小さな店舗から大きな公共建築まで多くの国内外の事例を紹介し「建築の幅が広がった」と結論づけられました。それらの共通点として建築が「人」に相応しい大きさとなる工夫がみられました。つまり、建築設計のアイデアの源は木の玩具や建具、家具等の「小さなものの仕組み」だったのです。
最後に「多様で新しい社会が来た、ものつくり大学はそれに相応しい」と総括されました。まさに本学が進む未来の方向性を示唆されたのです。
建設学科准教授 戸田都生男(とだ・つきお)