技能五輪全国大会
第59回技能五輪全国大会レポート(Tokyo技能五輪・アビリンピック2021)
挑む! 匠みな学生たち
昭和38年から毎年開催されている歴史ある唯一の全国レベルの技能大会。23歳以下の若き技能者たちが競う本大会に参加するものつくり大学の選手たちの応援に東京ビッグサイトと江東区木場公園(東京都)に行ってきました。本学からは5職種13人の建設学科の学生が埼玉県代表として参加しました。その白熱した2日間の大会や競技の模様をレポートします。
東京の新しいまち臨海副都心と東京都心をつなぐりんかい線(東京臨海高速鉄道)、新交通ゆりかもめを利用して東京ビッグサイト南ホールへ12月18日(土)に本学の広報部隊が早朝に集まりました。
ここは2020東京オリンピックでメインプレスセンターが設置された場所で、世界的にも著名な展示場です。競技初日には、南ホールへ向かう連絡通路から西側に雪化粧をした富士山がくっきり浮かび、神々しさと清々しさを感じました。その富士山に向かって、選手の活躍を祈る広報部隊でした。
昨年の愛知大会に続き、今年もコロナ禍で無観客開催となり、会場へ向かう人波は関係者のみで、密ではありませんでした。しかし、ひとたび競技会場へ入場すると、黙々と課題をこなす選手たちと見守る指導者たちが緊張感を漂わせ、各職種エリアでは凛とした雰囲気を醸し出していました。各県の猛者たちもこの日に向けて特訓をしてきたことは言うまでもありませんが、本学の学生たちも多くの猛者たちに負けずたゆまぬ努力を続けてきました。
左官・建築大工・家具・タイル張り職種の競技は東京ビッグサイトの南ホールで開催されましたが、造園職種は約30分離れた江東区木場公園多目的広場が競技会場でした。12月中旬にしては日中の気温も高く、陽射しが強い屋外での競技にも関わらず、造園職種に出場した田子雅也さんは、集中力を切らさずに順調なペースで課題に取り組んでいました。素人目にも動きに無駄がなく、明日の課題完成への期待が増す、そんな順調さを感じました。
それぞれの競技環境の中、これから2日間の長丁場、13人の挑戦者たちを前に声掛け、声援を送ることは禁止のため、「心置きなく、自分を出してがんばれ!」と心の声で叫んでいました。
2日間の競技を終えて、金賞・銀賞を2名の学生が受賞。ほんとうによくやりました。おめでとうございます! 造園職種で金賞を受賞した田子雅也さんは1年生ながらプロも舌を巻く技術が評価されました。「今回は金賞を受賞できて本当に良かったです。次はリヨン大会に向けて頑張りたいと思います。渡邉先生、山崎先生をはじめ、高校時代の顧問、先輩、バイト先の社長さんなどお世話になった方々、本当にありがとうございました」。
また、建築大工職種で銀賞を受賞した村松拓夢さんも1年生ながら、多くの出場者を抑えて、その技術力が評価されました。「練習でやっていた事と同じように本番に取り組むことができた結果、入賞することができたと感じます。来年も出場したいと考えています。その時は今回よりも自分の中で納得のいく作品が作れればいいと思います」。
全国大会では初回の出場で入賞する方はそうおらず、二度目、三度目のチャレンジでようやく入賞にこぎつける方が多いと聞きます。今回の受賞者である2人はともに1年生です。田子さんは高校時代から4年連続で大会に出場し、念願の金賞受賞を果たしました。松村さんは、高校3年生の時に出場。大学での練習期間も短く、そこでの銀賞受賞は見事でした。2人ともに多くの社会人選手たちに混じっての受賞は賞賛に値します。 さらに左官職種においては、出場2回目の建設学科3年の石村祐斗さんが、一般社団法人日本左官業組合連合会より、左官職種競技委員敢闘賞を受賞しました。おめでとう!
競技終了の合図が鳴り、床に崩れ落ちるように座り込んだ学生、ひたすら汗をぬぐう学生、満面の笑みで余裕さえ見せる学生。入賞こそ逃しましたが、この日のために重ねてきた練習や大会での経験は今後の人生の糧となるはずと実感しました。それぞれ一生懸命競技に取り組む姿勢、真剣なまなざしは見ている者に感動と勇気を与え、学生ながら秀でた技能をさらに切磋琢磨しながら、これから社会のなかで活躍していってくれるだろうことを改めて願いました。次のチャンスを狙う学生、国際大会を目指す学生など、後進の学生も含めて挑戦して欲しいと願っています。
最後に、学生たちの作業の一つひとつに一喜一憂しながら、温かく見守る先生方と13名の出場学生にあらためて心から拍手を送りたいと思います。本当にお疲れ様でした。
(広報地域交流係 文責/福地)
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